歯周病の原因:歯肉(歯茎)から血が出る
歯肉から血が出る!これは歯周病?
CMで「歯肉から血が出たら歯周病かも?」と流れているのを見たことがある方は多いのではないでしょうか。
結論から申し上げると、歯肉から出血を起こした場合、歯周病である可能性は限りなく高いと言えるでしょう。その理由を詳しく解説します。このブログによって、少しでも多くの方が歯周病を知るきっかけになれたらと思います。
歯周病で歯肉から血が出る理由
バイオフィルムによって上皮バリアが破壊される
歯周病の原因は細菌(歯周病菌)です。
その歯周病菌は歯や歯肉の中(歯周ポケット内)でバイオフィルム(=プラーク)という粘着性の強い膜に包まれて増殖を続けます。
歯周病菌は嫌気性菌と呼ばれ、酸素を嫌います。
そのため、酸素の届きにくい歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)に蓄積していきます。一方、細菌の感染から守るために上皮※バリアが歯肉の表面にも存在しています。(※皮膚・粘膜)
この上皮バリアの抵抗性が下がり、バイオフィルムによって炎症が引き起こされることによって歯肉から出血が起こります。これが歯周病のはじまりです。
この出血がおさまらない限り、歯周病の進行リスクは持続します。
だからこそ、「歯肉から血が出るのは歯周病です。」と警鐘を鳴らし、少しでも早く歯科に足を運ぶよう促しているのです。
歯肉からの出血が歯周病の進行の原因!
歯周病菌は血液の中にある鉄を栄養素として、増殖します。
そのため出血しやすい環境は、歯周病菌にとっては楽園状態であり、どんどん増殖し続け、歯周組織を破壊していきます。歯周ポケットが深くなればより深刻な状態となっていきます。したがって、出血を止めることが歯周病治療ではとても重要な指標になります。
歯肉からの出血が続く場合は、なるべく早く歯科医院にいきましょう。一歩踏み出すことで、歯を守れる可能性が格段に高くなります。
歯周病の治療
歯周病(歯肉から出血する状態)に対して行う治療を、「歯周基本治療」と言います。
歯の表面や歯肉の内部(歯周ポケット)にあるバイオフィルムや歯石の除去、ブラッシング指導、お口の状況に合った歯ブラシや歯間ブラシ等のケア用品の処方、生活習慣指導などを行います。
歯肉からの出血を止め、歯周病菌が活発にならない状態を維持していくことが、歯周病を改善する方法なのです。
バイオフィルムを自身の歯磨きだけで常に取り続けることは、なかなか大変です。また、歯垢が硬くなり歯石になると自分で取り除くことはできません。だからこそ歯科医院へ足を運び、プロの手でケアしてもらう機会を作りましょう。