歯を残すために

できるだけ残してあげたい

できるだけ残してあげたい

こんにちは。副院長の中里です。

虫歯や歯周病によって、歯を失ってしまう人がまだまだ多い中、歯科医師としては、どうにか歯を残してあげられないものかと考えます。

一方で、歯を残すことがリスクになる可能性もありますので、一概に残すことが良いわけでもありません。

検査した情報を元に、機能できるかできないかを判断し、残せると判断した場合には残すための治療を行います。

歯を残したいと考えている患者様に、歯を残すために重要なこと、当院が取り組んでいることについてお伝えしていきます。

歯を残すために重要なこと

歯にある症状を放置しないように心がける

歯にある症状を放置しないように心がける

噛むと痛い、冷たいものがしみる、疼く痛みがある。歯ぐきから血が出た、歯が長くなった、食べ物が挟まるようになった、強い口臭が気になり始めた。

これらの症状は虫歯や歯周病にある症状です。

軽い痛みは我慢。痛みが強くても痛み止めを飲んでさらに我慢。
日常生活や仕事を休むことができないため、歯医者に行けない。そんな状況が更に我慢を誘発し、結果的に歯医者に来る頃には重症化してしまった。というケースがよく見られます。
検査の結果、歯を残すことができないと言われて、「あのとき行っておけばよかった」と患者さんは後悔をします。

症状を放置をすれば、歯を失うなどの身体的・精神的に負担が大きくなります。
また、治療費も増えていくため、経済的負担も大きくなります。

だからこそ、歯にある症状を放置せずに歯科医院で早期に治療に取り掛かること、および再発防止のメンテナンスを行うように頑張りましょう。“放置をしないこと”これが歯を残すために最も重要です。

歯の神経を失わない

歯の神経を失わない

歯に栄養を運び、歯の強度を保つ縁の下の力持ちである歯髄。

この歯髄を失ってしまうと、栄養源が絶たれてしまうため、枯れ葉のようになってしまいます。

そのため、歯を残せたとしても強度が落ち、治療後の歯根破折のリスクが高まります。
ファイバーボストという土台によって、残根に負担がかかりにくいようにすることはできますが、歯髄がある歯に比べたら破折しやすいことには変わりありません。

歯髄を取った歯は失活歯と呼ばれます。
つまり、活動していない歯ということになります。ご自身の身体に血液が回らなくなったとしたらその部分はどうでしょうか。想像したくない結果になると思います。

それだけ歯髄は大切です。
とても痛かったのにしばらく我慢していたら痛みがピタッと止まった。これは自然に治ったのではなくそれは歯髄が壊死してしまったサインの可能性が高いです。

冷たいものがしみる程度であれば、歯髄を守ることができる可能性が高いです。症状を放置せず、早い段階で治療を行いましょう。

※歯髄=歯の神経
※歯根破折=歯の根が割れてしまうこと

再発させない、再治療をしない

再発させない

虫歯や歯周病は再発をします。再発すれば当然、再治療が必要になります。

これを「リピーテッド・レストレーション・サイクル」といって、治療を繰り返すことで結果的に抜歯になってしまう悪循環を示したものになります。

そのため歯を残すために重要なのは、再発させないために行う予防処置なのです。どれだけ崇高な治療技術で歯を残すことができても、再発・再治療を繰り返せば最後には抜歯になるのです。

あなたの歯を守るためには、予防歯科を超える歯科医療はないと言えます。
予防というのは、新たに虫歯や歯周病にならないという意味もありますが、むしろ治療したところが再度悪化しないようにするという意味も強く持っています。

当院が歯を残すために取り組んでいること

診査・診断(検査)

診査・診断

歯を残すために重要なことは、診査診断です。

口腔内診査、パノラマレントゲン・デンタルレントゲンを中心に、時にはCTを撮影し、診査診断に役立てます。レントゲンなどを細かく分析し、歯を残せるかどうかを判断していきます。

ただ、治療を始めてから、診査時にわからなかったことが明らかになることもあります。また、治療を行ったうえでの歯や歯周組織の反応で評価する場合もあるため、結果的に患者様の求めることが達成できない可能性もあります。

徹底した説明

徹底した説明

歯を残す上で一番起こりうるリスクは、「残せるといったのに残せなかった」と治療後に問題になるケースです。

確実に残せるケースの場合は別として、残せるか残せないかの瀬戸際にある歯は確実に残せますとは断言できません。どちらかというと“残すためのチャレンジする”という意味合いが強くなります。

そのためには患者様のご理解とご協力、同意が何よりも重要になります。
当院ではその理由をきちんと説明し、理解と同意が得られてから治療に進むようにしています。

説明の頻度

説明の頻度

もしかしたら、しつこいな。わかってるよ!と思われている患者様も多いかもしれませんが、初診時から毎回治療前に、治療内容や治療経過、患部の状態のご説明を必ず行います。

また治療後にも今日行った治療、そして次回の治療についてご説明して終わることを心がけています。
常に患者さんと情報を共有し、理解と同意を意識することで、何をされているかわからない、自分の歯がどうなっているかわからないという状況を無くす努力をしています。患者さん自身に、自分の歯について知ってもらいたいという思いがあります。

歯を残すための治療

歯を残すための治療

歯を失う原因である、虫歯や歯周病を中心に行います。

また治療後のメンテナンスや予防処置を通して、残した歯を長く保つためのサポート治療も行っています。

虫歯では、歯髄保存治療と根管治療が歯を残すための手段です。
歯周病では、歯周基本治療や歯周外科治療、歯周組織再生療法があります。

特に根管治療や歯周外科治療(歯周組織再生療法含む)は、歯を残すための最終手段であると言えます。再発・再治療になれば、歯を残せる確率は格段に下がり、治療の難易度も高まります。そのため、治療を行ったうえでの歯の状況を見ながら進めていくので、治療期間がかかる場合もあります。

定期検診(メンテナンス)

定期検診

定期検診はとても重要です。
治療によって歯を残すことができたとしても、お口の中の状態は刻一刻と変化します。

例えば、天然歯とクラウンの摩耗状態が変わることで噛み合わせの高さが変わってしまい、特定の歯に強い負担がかかる。骨が経年的に痩せてしまい、入れ歯が合わなくなってしまったなど、定期検診でメンテナンスすることで、歯を守ることができます。定期的なメインテナンスがないと、そのような変化に対応できず、再発や新たな問題が生じ歯を失うリスクが高くなってしまいます。

虫歯や歯周病の再発を防ぐことを前提としながら、口腔内の状態をチェックし、いち早くリスクを発見、解決していきます。

不安になられたら一度ご相談ください。

他院で抜歯を宣告されてしまった、歯周病で歯を残せないと言われてしまった方は一度当院へいらしてください。第三者の目線で見て、公平な医療情報をご提供します。

当院では対応できない症例であっても、連携している専門医をご紹介するなどの対応が可能です。

歯を残したい。残せるか不安。など、お悩みがあれば当院へご相談ください。