根管治療

歯を残すための「根管治療」

歯を残すための「根管治療」

根管治療は歯内療法とも呼ばれ、根の治療・神経の治療のことを言います。
虫歯が進行して、歯の神経まで到達した場合や根の周りで炎症が起きた場合に必要な治療です。
根管治療は基礎治療であり、「歯を保存するための重要な治療」となります。

虫歯を放置する危険性

根管治療について詳しくお話する前に知っていただきたいのが、虫歯を放置してしまった時の危険性です。

虫歯を放置する危険性
出典:e-ヘルスケアネット(厚生労働省)

上記の図を御覧ください。歯を失う原因トップ3の2位に位置しているのが、虫歯(う蝕)です。それだけ日本においては虫歯によって歯を失っている人が多いということがわかります。

虫歯は発生して放置すると徐々に進行していきます。症状が出ても耐えられるからといって痛みを我慢して放置していると、最終的に治療が間に合わず取り返しのつかないこと(=抜歯)になります。根管治療は、歯を残すための最終手段です。抜歯になるまえに治療を始めれば、歯を残せる確率は非常に高まります。

痛みを覚えたら痛み止めで何とかしようと思わずに、なるべく早く歯科医院へ行きましょう。

このような症状は、身体から発せられているサイン!

このような症状は、身体から発せられているサイン!

  • 冷たいものだけでなく、温かいものでもしみる
  • 噛むと激痛が走る
  • 何もしなくても痛い、拍動痛が継続的に続く
  • 激痛だったのにある日突然痛みがなくなった
  • 痛みがなくなったと思ったらまた激痛に襲われる
  • 歯ぐきに水ぶくれのようなものがある

上記のような症状は身体から発せられているサインです。これは根管治療が必要な方の症状を纏めたものです。一つのチェックリストとしてご覧いただき、どれか一つでも当てはまれば歯科医院で検査・治療を受けることを強くお勧めします。

根管治療の治療方法について

虫歯の除去、古い詰め物・被せ物の除去

虫歯の除去、古い詰め物・被せ物の除去

初めて根管治療をする場合は、虫歯の除去を行います。一度根管治療をした経験がある方は、古い詰め物・被せ物の除去を行います。

根管内の感染部の除去

根管内の感染部の除去

感染部を根管治療専用の器具を使い手作業で除去していきます。

根管は非常に複雑な構造をしており、直視できない部位なので、丁寧に進める必要があります。根管内を綺麗に、かつ炎症が改善されないまま治療を終えてしまうと、再発する可能性が高まります。

それだけに地道で、治療回数・期間が長くなる治療であることをご理解ください。

治療部位の封鎖

治療部位の封鎖

感染部の除去が終わり、炎症が無くなり痛みが取れた段階で根管充填と呼ばれる根管内に隙間なく充填剤を詰めていきます。このとき隙間ができないように注意しながら根充を進めていきます。

被せ物をする

被せ物をする

コアと呼ばれる土台を立て、その上に被せ物をすれば治療は完了です。このように根管治療を開始してから被せ物をするまでには多くの過程があり、時間がかかってしまいます。患者様ご自身も治療完了まで通い続けることは大変だと思います。

だからこそ、治療後には再発しないよう予防をしていくことが重要になります。

根管治療をしても再発する可能性はあります。

根管治療をしても、再発する可能性があります。その原因は虫歯などによる細菌感染です。再発してしまうのは主に治療時に起きている問題と治療後に起きる問題に分けられます。

治療時が原因の場合
  • 治療中に細菌が治療している歯に侵入する(唾液中の細菌が侵入する)
  • 根管治療時、感染部位が綺麗に取り除けていない、炎症が残っている
  • 根管充填が不十分である
  • 被せ物の精度が低く、歯と被せ物の間に隙間ができる
治療後の原因
  • 治療が終わり、歯磨きやケアが不十分になってしまうことよって虫歯が再発し感染する
  • 銀歯の被せものが経年劣化し、歯と被せ物の間に隙間ができる(二次カリエス)
  • 根管の内部の構造に何らかの問題が生じる(歯根破折、外部吸収など)

上記が原因で再発する可能性はあります。
根管治療は根管内の感染部位を削り取る治療なので、再発を繰り返していくうちに、歯を残すことができなくなり抜歯になることもあります。

根管治療は再治療になると、治療の成功率が格段に下がります。また、何度も同じ治療ができるわけではありません。
根管治療をメインで行っている歯内療法の専門医でも成功率は低下します。

歯を失うことにならないように、日々の歯磨きと定期検診を忘れずに行なうようにしましょう。